パラレルキャリアのすすめ

パラレルキャリア

「パラレルキャリア」という言葉を聞いた事があるでしょうか。言葉の響きから「副業」とか「キャリアップ」に関連する事かな、ぐらいに考えている方が多いのではないでしょうか。これからの時代、この「パラレルキャリア」という考え方が重要になってくるかもしれません。

パラレルキャリア

「パラレルキャリア」とはP・Fドラッカーが著書「明日を支配するもの」等で紹介した考え方です。以前の記事でも紹介いたしましたが、P・Fドラッカーは「マネジメントの父」とも呼ばれる社会生体学者です。

パラレルキャリアとは「本業を持ちながら、副業に限らない社外活動をすること」です。

ピーター・ドラッカーの著書によると、歴史上はじめて人間の方が組織よりも長命になったために、人は組織のみに頼らず、それとは別に第2の人生を始める必要が生じたという。その第2の人生のひとつがパラレルキャリアである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

本業以外の収入を得る事が目的ではなく、「社外活動を通じて本業に相乗効果を生み、人生を豊かにする」ことを目的とした活動を指します。

例えば

  • ボランティアに参加する
  • 小説を書いて出版する
  • ミュージシャンとして活動する

などの例があります。

もっと簡単にスキルアップのためのスクールや社会人大学に通う、といった事も考えられると思います。私もいくつかのスクールに通いましたが、業種を超えて多くの友人を得る事ができました。

パラレルキャリアのメリット

パラレルキャリアには次のようなメリットがあります。

・今までにない繋がりができる

・スモールステップで夢に向かってスタートできる

・話題が増える、自分に自信が持てる

 

今までにない繋がりができる

これが一番大きなメリットではないでしょうか。社外活動を通じて、今まで接点のなかった別の価値観の人と繋がりを持つ。この繋がりは自分の人生を豊かにするだけではなく、本業にも良い影響があるかもしれません。

様々な会社で「イノベーション」と「創造性」について語られる事があると思います。

しかし、「まったく新しい事」を作り上げる事ができるのはホンの一握りです。ほとんどの新しい事が、「既存の知」と「別の既存の知」を組み合わせたものです。

イノベーションの父といわれる経済学者ジョセフ・シュンペータも、初期の著書『経済発展の理論』ではイノベーションではなく「新結合(neue Kombination)」という言葉を使っており、企業におけるイノベーションの研究における第一人者であるクレイトン・クリステンセン教授も「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」というイノベーションの定義としている事からもわかると思います。

「イノベーション」の元となる「新しい知」を生み出すには、なるべく「自分から遠く離れている知」と、「自分が持つ知」を組み合わせることが大切です。

つまりパラレルキャリアで得られる繋がりが、本業に対するイノベーションの源泉になるかもしれないのです。

 

スモールステップで夢に向かってスタートできる

音楽家になりたい。絵本作家になりたい。地域貢献したい。

いろいろな夢があると思います。いきなり生活の全てを「その夢」に捧げるというのも一つの道ですが、「本業」としての仕事をしながら夢にむかっての活動を始める事で、失敗したときのリスクを避ける事ができます。

「そんな夢はない」という人も興味の持てそうな事を始めてみればよいのではないでしょうか。いくつか取り組んでいく中で、もしかしたら人生の夢になるような事に出会えるかもしれません。

しかし、ここでも「繋がり」を大切にしましょう。まずは「興味が持てそうな集まり」に参加する事をお勧めします。人との繋がりが自分の中に化学変化を起こしてくれる事でしょう。実際に参加して、合わなければやめればいいのです。

やめたい時にいつでもやめられるのが、パラレルキャリアのメリットでもあるのですから。

話題が増える、自分に自信が持てる

話題の多い人、というのはそれだけでも魅力的なものです。

それが自分のまったく知らない分野で、「へぇ~」という内容の場合、聴く相手はあなたの事を「以外な一面のある人」と認識するでしょう。

そういう周囲の目が、あなたの自信に繋がってくる訳です。

「本業では、まだまだ半人前からもしれないが、別の分野ではここにいる誰よりも詳しい」という自信が、本業に対する不安を払拭してくれます。人間というのは心の力によって行動が大きく変わります。別の分野であっても自信を持つことで、本業へプラスの力となるのです。

 

パラレルキャリアで気をつける事

何はともあれ、健康に気をつけましょう。

活動が本業だけであれば、健康を崩した時の影響は本業のみです。しかし社外活動を始めれば、影響はそちらにも及ぶ事になります。

そして、本業に支障をきたさない事。本業あっての社外活動である事を意識して、時間のコントロールをしましょう。社外活動に力を入れすぎて、本業中に「うたた寝をする」「仕事のミスをする」「集中力がなくなる」といった事態を起こさないよう、社外活動を行う前以上に気をつけましょう。

社外活動で得た人脈を活かし、本業に貢献する事ができれば、社外活動を応援してくれる方が増える事でしょう。

 

人生100年時代と言われる昨今。長い人勢を豊かにするためにも、パラレルキャリアについて考えてはいかがでしょうか?