ネガティブな感情と上手く付き合う

ネガティブ感情

「ポジティブ心理学」第2弾は、ネガティブな感情について。「ポジティブ心理学」というぐらいだから、ネガティブ(マイナス)な感情はよくない、という方向だろうと思われるかもしれませんが、そういう訳ではないんです。実は、ネガティブ(マイナス)な感情は人にとって大切だというのです。今回はネガティブな感情との付き合い方について書いてみたいと思います。

幸せを決める黄金比

ネガティブ感情の役割

落ち込んだり、嫌な感情になったり。そういったネガティブな感情が無くなれば、幸せな気持ちで日々を過ごせるのに。

そんな風に思いませんか?

しかし、ネガティブ感情も大切な役割があるんです。

例えば

  • 反省・成長のきっかけになる
  • 危険を察知したり、警戒することで入念な準備ができる
  • 自分が無理をしている、感情を押し殺している、といったことに気づくことができる
  • 同じ感情をいだく人への理解が深まる

怒りや嫉妬、悲しみ、恨みといったネガティブな感情は自分を苦しめます。しかし、ゼロにはできません。

こういったネガティブな感情も、大切な自分の感情なのです。目を背けずに、しっかりと受け止める事が大切です。

ネガティブ・バイアス

ネガティブ感情は、「認知の歪み」と呼ばれる間違った考え方や信念を原因にする事も少なくありません。

例えば、スーパーのレジが混んでいる時、「もっと従業員を雇うべきだ」とイライラしたりすることはありませんか?

これは認知の歪みの代表的な例、「すべき思考」の例ですね。他にも「全か無か思考」や「一般化のし過ぎ」などが認知の歪みとして挙げられています。

このような認知の歪みは、ネガティブに考える必要のない事の場合が多くあります。

先ほどの例であれば、ある瞬間だけレジが混んでしまっていたとしたら、その瞬間に合わせて従業員を雇うなんて、現実的ではありませんよね。

「5分ほど待てば自分の順番が来そうだ。ちょうどいいから待っている間に明日の予定でも考えていよう」とポジティブに考える事もできるかもしれません。

しかし、こういったネガティブ感情は、ちょっとした事でも必要以上に大きく捉えてしまう傾向があります。

たとえば、よくできた絵画でも、一か所の傷があれば、そこに目がいってしまいます。

スマートフォンの傷防止シートを貼った時に、ちょっと空気が入って気泡になった所がものすごく気になるという事はありませんか?

このように、人はネガティブな事に注目するようになっています。これは原始の本能であり、生き延びていくために大切な事だったんです。

しかし、ネガティブ・バイアスのおかげで、ネガティブな出来事に対して、必要以上に意識してしまいます。

黄金比3:1

確かにネガティブな感情は本能的に必要なものかもしれませんが、ポジティブな感情は、よいパフォーマンスを発揮し、よりよい方向に変化を起こすという点では、とても重要です。

上昇スパイラルを起こすための、ポジティブ感情とネガティブ感情の割合は最低3:1と言われています。

ビジネス界のマネージメントチームについてのある実験で、生産性、顧客満足度、社内評価という視点でチームの業績とポジティビティ比(ポジティブ感情とネガティブ感情の割合)を調べた所、高いパフォーマンスのチームは6:1と非常に高く、低いグループは1:1にも届かなかったそうです。

通常、私達のポジティビティ比は2:1ほどだといわれています。しかし、2:1では上昇スパイラルに入る事はできません。そのため、ポジティブ感情を高める必要があるんです。

ポジティブ感情を高めていく具体的な方法についてはまた次の機会にご紹介したいと思います。

今回は、ネガティブ感情も大切な感情だと知っていただくと共に、自分が感じているほど、ネガティブな出来事は大きな事ではないかもしれない、という事を知っていただければと思います。